令和5年8月4日(金)に京都市役所本庁舎見学会を開催しました。
京都市役所本庁舎は、武田五一氏監修のもと昭和6年にⅡ期工事が完成し、長く京都市民に親しまれてきましたが、老朽化が進み平成29年度から改修工事が進められてきました。
令和3年8月にその改修工事が完了し、以前とは見違えるような内観になっています。多くは、建設当時の痕跡を探り現代技術を取り入れて復元されたと聞きました。
建設当時の姿が見られることは、改修前の姿を知る人にとってはタイムスリップしたようで新鮮に感じました。
以下が見学会の様子です。
1階ホールに集合して、見学内容の説明を受けました。
このホールも以前は薄暗い感じでしたが、細部のディテールも復元され適度に明るく感じました。
2階の議場です。通常はこのフロアーには入れない所です。
天井のステンドグラスは元のものを再使用しているとのことです。
正面のアーチはインド建築風で漆喰で作られているとのこと。その周りの壁は創建当時の写真などから復元した緞子張りとのことです。
正面アーチ及び緞子張り部ディテールです。
次に正庁の間を見学しました。
改修前は、一般的な執務室であったそうですが、創建当時の姿に復元したそうです。
正庁の間の正面です。ここにも少しインド風を感じるとの感想も聞かれました。
正庁の間の柱・梁部のディテールです。
来賓等の歓迎行事に使用されるとのことで、少し張りつめた空間となっていると感じました。
次に正庁の間に隣接している和室です。
茶室のしつらえがありますが、いずれの流派にも属さないつくりとのことでした。
もちろん市内産木材も多用しているとのこと。
次に屋上庭園を見学しました。
開庁時間帯であれば、誰でも使用できるスペースと聞きました。当日は酷暑で他に利用者はおられませんでしたが、気候の良い時期には是非利用したいスペースです。
屋上からの眺めも良いです。
塔屋部です。それぞれの装飾が「日本的」「中国的」「インド的」「イスラム的」と説明を受け、その上で見ると装飾が理解できました。
引き続き、分庁舎が省エネ大賞を受賞したとのことで地下階設備関係を見学できました。
木製の受水槽です。地産木材「みやこ杣木」で出来ていると表記があります。
以上見学会の概要を記載しました。
最後になりましたが、
当日は酷暑の中にも係わらず会員等に呼びかけたところ19名(定員20名)にご参加頂きました。ありがとうございました。
また、お忙しい中、京都市都市計画局公共建築部、行財政局総務部の方々にご案内、そして詳細なご説明を頂きましてありがとうございました。
随所に京都の伝統産業を生かしたモニュメントなどが配置されていて、われわれ京都府インテリア設計士協会の活動主旨にも合致し、たいへん有意義な見学会でありました。
また、このような貴重な見学会を企画いたしますので、会員の皆様ご参加ください。